カテゴリ:介護( 44 )

選択したけれど

点滴が外れたあと、母は食事がノドを通らない。元来、嚥下障害気味だったのである。そこを施設で、ミキサー食を無理やり食べさせもらっていた。一旦食事を止めるとそうなるかもしれないと予想はしていた。案の定。

施設から、この先どうするか問われ、自宅で看るのと同じように何もせず、おだやかな老衰・・・という選択をした。でも、母はまだふつうに話せるし、顔色も悪くない。だから実感が湧かないというのが本当のところ。

よかったのかな、私がこんな選択をして。心は揺れる。しかし・・・

今の医療制度の病院は受け入れてくれない。施設に入る前の母は、心臓が悪くて病院に掛かっていた。その病院に「食べられない」と言って入院をお願いしても、「私は循環器専門。食べられないというのは看られません」とふつうに言われるのだ(施設の方も同じことを言った)。

でも人は心臓だけで生きているのではない。人間のどの部分も連携して人の生がある。それを無視している。けれど、いまの大部分の病院や医師は、専門化していて、専門ごとに看てもらわねばならない。そして、手術や目に見えた治療のできる患者だけが病人なのである。当然、老化現象は病気扱いしない。今の医療制度はひどいと思う。

3年前、母が整形外科で手術を受けたとき、整形の婦長さんの言った言葉が忘れられない。
「治る見込みのある人ならリハビリなどの面倒を看ます。見込みのない人は術後一週間で退院してください」と。

あんなにカーッと腹の立ったことはなかった。まだ母は手術室の中だった。血圧は高い上に高齢だから手術中にあの世に逝ってしまう恐れがあります、と言われ心配して待っているときだった。(このとき、ひたすらお願いして、結局一か月入院させてもらったが、それも退院後の受け入れる施設が決まったせい)

今は、どこの病院も、ただ横たわっているだけの長引く患者は採算が合わないということなのだと落ち着いて考えられる。

それにしても、今の医療制度はひどいことは確か。

そのような冷たい病院に母を行かせなくても、おだやかにこのまま自然体で。そう選択した。これでよかったのかな、私。自分に問う。
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by hatibee8 | 2011-09-19 17:47 | 介護

母とジャンケン

母は車椅子ばかりなので筋肉は衰えている。手までも力がない。筋トレでジャンケンをした。すぐ飽きるけれど、やらないよりはまし。

少しかなしい。母は可愛い子供になってしまった。人はだんだん子供に還り、そしてあの世に近づいていく。明日はわが身なんだろうな。
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うどん屋のレトロ
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by hatibee8 | 2011-09-13 22:18 | 介護

泣き虫かあさん

また泣かれてしまった。

母。

「じゃ、また来るね」
と、いつものように帰ろうとしたとき、
「また来てね」
と、涙。
「泣けちゃう」と。

つらい・・・

私が母のようになったら、やはり泣くだろうか。泣くだろうな。母のように家族はいないから、さみしさはもっとあるにちがいない。自分で自分のことができたら、施設では暮らしたくない。そんなところに母を置いている。

けれど、いまの母を家ではとても面倒看られない。もし家に母がいたら、共倒れになるし、私の人生はなくなる。ああ、でも、どう弁解しても、半分は自分の都合なのだ。

ごめんね、かあさん。

そして、やはり自分の場合は、身体と心を鍛えなくては、とため息混じりに思った。
生きているって、やはり大変。大変だけれど生きていなくてはならない。

今はあまり深く考えないようにして、日々の小さな楽しみを支えに生きていくことにしますか。
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by hatibee8 | 2011-08-28 21:08 | 介護

施設で花火大会

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母のいる施設で花火大会があった。と言っても、20分ほどの短いもの。しかも超小型のものばかり。でも、りっぱな打ち上げ花火だ。施設のお年寄りには、あれくらいの時間でよいし、間近の打ち上げは十分迫力があった。

施設は人里離れた場所にある。だから出来ることなのだろう。二段階になった駐車場の上の方で打ち上げ、見学は下の駐車場。

こうやって、入所者を楽しませてくれる施設をありがたいと思う。母も喜んでいた。母は施設に入ってから三度目の花火大会だった。
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by hatibee8 | 2011-08-06 23:28 | 介護

母、半日の帰宅

14日、水曜日、母を一日帰宅させるつもりだったけれど、施設側があまりに暑いので半日だけにしてくれとのこと。
まあ、それもいい。母の気が済めばいいのだから。

というわけで、午前中家に母がいた。というものの、ほとんど台所のテーブルの前で突っ伏して寝ていた。それでもいいのだ。母は家がいいのだ。そして昼食を食べさせて施設に送り届けた。

たったそれだけのことなのに、私は疲れた。施設に着いたらすぐ寝かせられた母が羨ましいとさえ思えた。
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by hatibee8 | 2011-07-14 23:56 | 介護

半分の始まり

7月1日。一年の半分が終わり、残りの半分の始まり。

母のいる施設には、お相撲さんが来ていた。私は相撲取りが帰るところに出くわした。母は「大きいよ~」と目を丸くして言った。何にしても、行事があることはいいこと。

母は、食べにくいものがあると拒否がはげしい。まあ、仕方ないかな・・・

一日中、眠たがる母。それでも、できるだけ世間話をして帰ってくる。姥捨て山のような気持ちにさせてはいけないと、無駄とも思える話をする。知っている人の名前が出ると、まともな返事が返ってくるのが面白い。施設にいても世間と繋がっていたいのだ。母は決してボケてはいない。

半分の始まり。夏本番。
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by hatibee8 | 2011-07-01 23:50 | 介護

母のいる一日

母の気分転換のため、一日家に連れて来た。こういうときは施設に外出許可をもらうのである。自分の家に戻るのに許可が必要な母。

いつものように妹と妹の夫も一緒。3人の連携で母を看る。母はますます体力がなくなっている。あれこれと食べさせたくても、のどを通らない。ペースト状にしてやっと。そして、ますます眠がっている。寝てしまったら、そのままあちらの世に行くのではないかと思うくらい。

それでも家の周りを車椅子を押して散歩した。お天気もよく、少し身体が傾いたままの母とのんびりと。ついでに墓地まで行き(家から3分の距離)、墓参りをした。
いつまで母とこうすることができるか。満90歳。母もよく生きた。生きていることがつらそうに見える。こうして現代の医療や介護のもとに生かしておくことが果たしてよいことかどうか。このようにすることが善とされていて、こうしなければならないことが切ない。自分が今の世の「親孝行なよい娘」を演じていると感じる。

人はやはり、自分で歩けて自分で食べられて、自分でトイレに行くこと、その基本が出来なければ哀しい。せめて、おだやかに過ごさせてあげたい。

夕方、施設に送り届け、妹夫妻と別れ、家に戻って夕食を食べたら疲れて寝てしまった。さて、明日の準備は・・・
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by hatibee8 | 2011-05-18 23:17 | 介護

母、90歳

母の誕生日だった。
90歳。すごーい。

母は私が幼いころ、肺浸潤など患ったりして身体が弱かった。その後も頭痛持ちでしょっちゅう寝込んでいたし、3年前は、何度も危ない時期があったのに持ち直した。
その母が、こんなに長く生きられるとは思わなかった。人の寿命は分からないものだ。

母に、「どう?90歳になった感想は」と聞いた。

面倒くさそうに、「おんなじ」と。

実感がないようだ。

しばらくして「母さんは何歳になったの?」と聞いてみた。
「60」。


あらま。
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by hatibee8 | 2011-05-11 23:23 | 介護

少しずつ

17日の日曜日は、母を家に連れて来た。地域の祭礼を見せてやりたいと。
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祭礼も自粛モードで、飲酒は禁止。「東日本大震災・・・・」と染め抜かれた旗が二本、山車のうしろをついていった。祭りの笛と太鼓は、始め勇ましく聞こえていても後でもの寂しくなる。

母は、表情が少なくなり常に「眠い」が勝っていた。それでも、アナゴ寿司を一切れ、小さくしながら食べられた。施設で出されるミキサー食はなんなの?と思えてくる。好きな甘酒にとろみをつけて飲ませる。びっくりするくらいさっさと飲んだ。でも、これもたまのことだから。毎日だったら口にしなくなるだろう。

たった一日だけれど、母は満足したようだった。少しずつ活力がなくなってきている。それでも、たまに家に来るのはうれしいようだ。やわらかく、すっかり白くなった手。

たった一日でも私の方は、母を施設に送り届けた後で脱力感が支配して、昨日は一日家に引きこもっていた。

さて、きょうは孔子学院へ。あたまが中国語モードにならない。宿題はなんだったのかな?
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by hatibee8 | 2011-04-19 07:25 | 介護

1週間ぶりの母

インフルエンザ予防のため、訪問者の立ち入りを断っていた施設。一週間で解除。

母に会ってきた。寂しがっていた様子もなく、これまで通りだったので安心。きょうはおだやかな気候で、桜の開花のニュースも聞いた。母の施設では、花見の行事もある。元気でいて、連れていってもらえるといい。

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by hatibee8 | 2011-03-29 01:15 | 介護